三重県の認可外保育園で働いている8年目の保育士です。
子ども達だけでなく、育児中のお母さんやお父さんにも是非よんで欲しい、と思っている本があるので紹介させて頂きます。
私が紹介するのはオススメの絵本は
「おへそのあな」 作長谷川義史 です。
ついつい、子どもが何歳になった!
と喜びがちですが、お母さんやお父さんも、毎年子どもと一緒に成長している事を思い出させてくれる絵本です。
「おへそのあな」 のあらすじ
お母さんのお腹の中にいるもうすぐ産まれてくる赤ちゃん。
まだお腹の中にいるけれど実はおへその穴から、家族の様子を覗いて見ているのです。
はじめに見えたのは、お兄ちゃん…赤ちゃんの産まれてくるのを心待ちにしているお兄ちゃんは赤ちゃんのためにおもちゃを作っています。
そして次に見えるのはお姉ちゃん…お姉ちゃんは赤ちゃんが生まれた時に綺麗な花が咲くように水やりをしています。
そして次は、お父さん…。
お父さんは丁度お母さんのお腹の中にいる赤ちゃんにギターを聞かせ、赤ちゃんの歌を作っています。
赤ちゃんは、おへそのあなからおじいちゃん、おばあちゃん、そしてペットの猫、家族みんなの様子を見て、何気ない日常の会話を聞いて、みんなが自分が生まれてくる事を楽しみにしているということを知り、喜び安心して自ら家族に会いたいという思いを持って、家族の元へと生まれていくといったお話です。
「おへそのあな」 のレビューとおすすめポイント
この絵本は、大きなスクリーンに映し出して、お誕生日会の出し物で使うこともよくあります。
我が園では誕生児の保護者の方にも見に来てもらうのですが、お子さんの生まれるまでの思いを懐かしく思ってもらいたいという思いと、生まれた時の感動や喜びを振り返っていただけたらという思いがあります。
そして、家でも自分の生まれた時どう思ったのか、自分はどんな日に生まれたのか…
など自分の誕生を知るきっかけとなってくれたらなと思っています。
この絵本は、お腹の中の赤ちゃんの視線で描かれているので絵が逆さまで、不思議そうにみている子供もいます。
そして絵がとても可愛らしいことでとても集中して見てくれます。
読み進めているとだんだんの子供の表情が柔らかくなりなんだかとても嬉しそうな顔をしてくれます。
覚えていないけど、きっとこんな気持ちで自分たちも生まれてきたのだろうと共感できるのだと思います。
そして、思いを聞くと「大好きなお母さん、お父さんに会えてよかった!」「僕も実はおへそから見えてたよ」など嬉しそうにお話してくれます。
今、どこか自信の無い子供たちや、共感してくれることに飢えている子供たちがとても多いように思います。
私たち大人も、あえて伝えなくてもきっと伝わっているだろうと思いがちですが、この絵本はその子供の不安な気持ちを包み込んでくれると同時に、私たち大人も、子供たちへの思いは、しっかり言葉にして伝えなければならないなと思わせてくれます。
親子の関わりの大切さを感じ、読み終えた後子供も、大人もなんだなほっこりさせられる素敵な絵本だと思います。
おへそのあな